旧NISAを新NISAに移行する方法を検討、設定した話

今メインで使っているSBI証券で2024年からの新NISAの積立設定が始まったので、旧NISAの片付けを検討し新NISAの設定をしました。

お約束

ご自身の税務上の扱いは専門家にご相談ください

概要

旧NISAから新NISAへの移し替え

図のように、旧NISA枠にあった米国ETFと課税口座にあった信託報酬の高い、古い投信を売却し、新NISAの枠をeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を買って埋めていきます。

現況

  • 旧NISAはロールオーバーで枠を使い切っており、新規のNISA枠での積立はしていない
    • 旧NISAの内訳は米国ETF(VTI, VXUS, VYM, HDV)がメイン、端数を消化するため投資信託が少しある
  • 課税口座での積立を実施中

具体的な設定

つみたて投資枠の設定

まずは、つみたて投資枠を設定します。 今設定されている課税口座での積立が新NISAに移行されることはないので、現行の課税口座の積立を解除し、新NISAのつみたて投資枠を新規で設定します。

クレジットカードでの積立上限が毎月10万円に引き上がるとの一部報道もありますが、設定時点では旧来の月5万円が上限でした。

現行NISAの満期分を売却

2019年から2023年(2014年から2018年までの枠からロールオーバー)の旧NISA枠が2023年末に満期を迎えるので、2024年に課税口座に移された後に売却し、新NISAの成長投資枠で買い直します。

旧NISAでの米国ETFは購入のみ手数料が無料で、売却には手数料がかかります。旧NISAの期間中に売却すると単に手数料の分、利益が減るだけですが、課税口座に移行した後に売却すれば、売却手数料を損失として計上できることを想定しています。

成長投資枠での購入、積立設定

毎月の積立を設定しておきます。そして2024年になった後に旧NISAの2019年分の売却分と同金額を一括購入します。

NISA枠ぎりぎり注文、課税枠シフト注文はいずれも有効にする

成長投資枠の消費を図に示すと下記のようになります。

成長投資枠の消化(購入金額は実際の値ではなく、イメージ)

この例では、8月までは成長投資枠のみで積立が行われます。9月に「NISA枠ぎりぎり注文」が発動し、成長投資枠を使い切るように成長投資枠での積立額が小さく調整されます。 また9月以降は「課税枠シフト注文」が発動するので、設定した積立額のうち、成長投資枠からあふれた額は課税口座にて積立が続きます。

2025年以降

毎年同様に旧NISA枠の買い直しを続けていき、2028年には新NISAに一本化する予定です。

付録:旧NISAで米国ETFを選んだ理由、新NISAではやめる理由

当時米国ETFを選んだ理由は2点です。

  1. 信託報酬の安さ
    • 当時は米国ETF < 国内ETF < 一般の投資信託 の順で信託報酬が安かった。米国株式をVTI、米国以外の株式をVXUSとするのが信託報酬を最安にする組み合わせだった。
  2. スマートベータなど一般的な時価総額比例以外の投資手法の多様性

さて10年経ってみると、投資信託の信託報酬は競争により十分に下がり、一方でETF特有の手間が気になるようになりました。ETFは定期的に分配金を支払います。日本では分配金を自動的に再投資する制度(DRIP)が無いため、再投資する場合は分配金が支払われるたびに毎回手動で購入を行う必要があります。ETFは金額を指定して購入することはできず、端数の米ドルが残るため、投資効率は下がります。

今後課税口座で米国ETFを持ち続けると、分配金は日米で二重課税されます。確定申告にて外国税額控除を受けたことはありますが、手間がかかるので割に合わないように感じました。一方、投資信託では2020年から二重課税の調整を運用側で行ってくれるので、投資家側では特に何もする必要はありません。

また、スマートベータ戦略として入れてみた高配当株(HDV, VYM)ですが、直近の相場では大型テック株のようなグロース株優位の相場だったこともあり、米国の一般的な時価総額比例のETF(VTI)と比べ半分程度の成績でした。よってこれ以上深追いするのはやめることにしました。